オールブラックコーデのススメ
いきなり取っつきにくそうなコーディネートの提案です(笑)
何を隠そう私は音楽はもっぱらロック(特に70~80年代洋楽ロックのいかにもなバンド達)が大好きでやっぱりダークで怪しい感じのファッションにいまだ興奮を覚えてしまいます。
デヴィッドボウイやマークボランに代表されるグラムロックアーティストの写真はいつまでたってもやっぱり格好いいなと思っちゃいますし、ジューダスプリーストのロブ・ハルフォードのスタッズを散りばめたレザーファッションに身を包み、アメリカンポリスの様な帽子にティアドロップ型のサングラスをかけたあの出で立ちにはいまも心を奪われます。
……だけど、いくら好きだからといってあんな同じ人間とは思えないようなスター達のカッコをそのまま真に受けてやって
しまうと気のふれた奇怪な人間としか人の目には写らないことでしょう。
それはあくまで鑑賞にとどめながらロックな気分のファッションに身を包みたい……、そんな私の欲求を満たすのがオールブラックコーデです。
しかしこのコーデ、コツを掴めば非常に簡単で有用なファッションであります。
なにが有用って様々なブラックの組み合わせを考えるだけでとても単純にコーディネートが決まります。
『夏にオールブラックって暑苦しいやっちゃな』とか『ナルシストみたいじゃない?』とか『変態ファッションに魅せられた人間の提案なんて聞きたくないわ』とはまだ言わず、少し付き合って下さい。
では、具体的にオールブラックコーデを解説していきたいと思います。
まず、多くの方が想像する通り、ブラックは重いカラーと言って間違いないでしょう。しかしここから引き算をしていく事でとても清潔感のある爽やかな印象に仕上げる事が可能になります。
まず第一に、『軽量化』を意識します。
例えばフルレングスのブラックのパンツでは重苦しい印象ですが、足首を見せたり、思い切ってショーツにすると、たちまちに印象は激変します。
そしてトップスも軽い印象のものを意識します。この場合はあくまでイメージとしての『軽い』を意識します。
例えばビッグシルエットのカットソーやローゲージで編まれたコットンニットで柔らかくユルいイメージを出したり、ポリエステルやナイロンが使われたツヤ感の強い素材が使用されたもので清涼感を出してみたり…、そしてシューズはレザーシューズでも悪くはないですが、スニーカーやサンダルがいいと思います。
スニーカーなら少し今回の提案からは横道に反れますが、派手なカラーを差したり、グレーで同系色でまとめたりも出来て自由度が高まります。
サンダルならアウトドアタイプや現在静かなブームであるリカバリーサンダルもいいのでブラックでまとめるとスッキリします。
次に『清潔感』を意識しましょう。
例えば、アクセサリー等の小物類。ここは必ず『ロック臭』は消すのが鉄則です。
あと、手首や首にごついシルバーアクセ、いかついサングラスとかも止めといた方がいいでしょう。
選ぶべきはメタルバンドの小さめなシルバーの腕時計とか、バングルやブレスレットなら華奢なタイプのさりげないタイプを。細フレームのラウンドタイプの眼鏡で少しインテリな印象をプラスするのもアリです。
とにかく黒というカラーの持つ『暑苦しい』、『いかつい』、『重たい
』といったイメージを取り除いていく事が成功への道となります。
あと、さらにもう一点。
奥行きを意識するのもオールブラックコーデを格上げする秘訣です。
説明しますと、単純にブラック一色で仕上げるとのっぺりとした平坦な印象に仕上がってしまいます。それではつまらないコーデになってしまうのでトップスとパンツの素材感を変えたり(例えばコットンやナイロン、ポリエステル素材のショーツをパンツに選び、トップスはローゲージのコットンニットを合わせる、など)、首もとやトップスの裾からタンクトップを覗かせるなどすればブラック一色であってもバリエーションが増す事で視覚的にかなり変化が生じます。
余談になりますが汗を大量にかくこの季節。洋服のケアの面でもかなり助かります。
黒い服だとあんまり汚れとか痛みだとかが目立ちにくいんですよね。ケチ臭いこと言ってますが、イージーケアであって、さらにクールな印象が手に入って一石二鳥ではありませんか!(笑)
私自身、かなり多用するスタイリングなので、まだまだ語りたりませんが今回はここまでに留めておきます。
カラーイメージで二の足を踏んでいる方は是非お試し下さい。意外に使えますよ。